
BMW M6(E24)オーバーホールとチューンナップ

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オーナーが入庫した理由
トランスミッションがそろそろ壊れそうだから......という理由で入庫。4速が滑り、あまり走りがよくないという。この個体は日本仕様のエンジンを搭載しており、当時の排ガス規制を受けてもともとパワーが少なかったが、これにオートマチックの特性があわさって本領を発揮できていないようだ。
サムスオートの所見



昔の話しですが、パーツ屋さんが「745のATクラッチがある」と言ってくれたので、745のATパーツを取り寄せたことがあります。開けてみたら、E24標準と較べてクラッチ板が1枚多い強化型でした。メーカーは、ATがトルクに耐えられないことを知っていたんですね。
パワー不足を感じる要因は、エンジンにもあります。
M6のエンジンは高回転でパワーが出るチューン。しかし、ATは低回転でシフトアップしてしまうから、パワーバンドを使わないで走ることが多くなり、不足を感じてしまう。常にぶん回して走ることはできませんから。
ということで、オーナーさんと相談して、エンジンのパワーアップ(排気量拡大)もやろう、ということになりました。もともとパワフルなM6のエンジンをさらにパワーアップするのだから、トランスミッションの対策は必須項目。もちろんエンジンは下ろすので、パワーアップにともなう対策や部品交換、足回りの強化などを行いました。
施工の内容
- エンジンとトランスミッションを車体から取り外し
- エンジン分解、各パーツ状態の検査
- エンジンオーバーホール(加工、研磨、面研)
- ピストンとクランクシャフトを、特別加工品に変更して、排気量を4リッターに拡大
- 上記に合わせ、消耗品や劣化部品の交換
- バルブタイミング調整
- トランスミッションの分解、各パーツの状態検査
- ウィークポイントに強化を施して組み立て
- オイルクーラーを装着し、強化エンジンに対応
- エンジンとトランスミッションを車体に取り付け
- 足回りの強化
- 試運転
- 慣らし運転
- ドライブシャフトに対策を施し、オーバーホールして換装
- リアブレーキを300mm径ローターとピストン径38mmのキャリーパーに換装
- ブレーキダスト対策をホイールに実施